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「注染手拭い」ができるまで

注染(ちゅうせん)とは、生地の下から空気と染料を吸引して染みこませる、伝統的な手拭いの染色技法です。

染料を下から抜きながら染めていくので糸を傷めず布目をつぶさないため、
柔らかく自然な風合いになり、裏表がなく染まります。

職人による手染めで作られた注染手拭いは、色やぼかしなど一枚として同じものがなく、
それぞれに味わいがあり、使い込むほどに風合いを深めていきます。

型置 ( 板場 / いたば )

糊置き職人が生地を糊付台の上に敷き、型である「伊勢型紙」を生地の上に乗せ、その上からヘラで防染糊を染めない部分に付けます。この「伊勢型紙」は、専門の職人が一枚一枚手で彫ったものです。

生地は、約1mごとに糊をヘラで付けては折られ、蛇腹状に重ねられ1反に付き10~12回折り返されます。それを3~4反ずつ積み重ねていきます。

注染 ( 紺屋 / こうや )

紺屋は、染める部分のまわりに糊で土手を作り、その中にじょうろのような「やかん」で、染料を注ぎ込んで染めていきます。糊を置いた部分は染まらずに地の色が残ります。

流し込むと同時に台の足元のペダルを踏むと、コンプレッサーが下から空気と染料を吸い込みます。
このときに染料と同時に水を流しボカシを表現したり、違う色を滲ませたりして豊かなグラデーションなども表現できます。

水洗 ( 水元 / みずもと )

染めが終わると専用の水洗い場で、型置きの時の糊と余分な染料を洗い流します。

乾燥 ( 建て干し / だてぼし )

生地を十分水洗いし、脱水し天日で乾燥します。

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